【食育】好き嫌いせずなんでも食べられる子にする「食事の摂り方」

あなたは、好き嫌いがありますか?
あなたのお子さんは、好き嫌いがありますか?
食事が担う大きな役割
食事は、栄養を摂るという大きな役割があり、私達が生きていくために必要な事。でも、食事って、ただそれだけではありません。
- ママが作った料理を、給食のおばちゃんが作った料理を、お店のシェフが作った料理を、家族と分け合って、友達と分け合って食べる(食事を共有する)
- 「見た目がとっても素敵だね」「とっても良い匂いがするね」「すごく美味しいね」食事という行為を通して、感情を共有する
そう、食事は他人と“共有”する事が出来る大切なコミュニケーションのひとつであり、この食事の共有を経て、人間関係や絆が深まっていくのです。
しかし、あまりに好き嫌いが多いと、この、他人と“共有する”という大切な食事の役割が果たされなくなってしまうのです。
好き嫌いをなくして、なんでも食べられる子に
好き嫌いがなく、なんでも食べられれば、他人とそれだけ沢山の事を“共有”する事が出来ます。それに、何でも美味しく食べられたら、人生とってもお得だと思うんですよ。
だって、美味しくない嫌いなもので溢れているよりも、美味しくて大好きなもので溢れていた方が楽しいでしょ?
1.食事は“楽しく”
食事の時間には叱らない。
これは好き嫌い以前に食事の時間には是非徹底していただきたい事。
食事の時間に叱ると、「食べる=叱られる」の認識になり、食事が楽しくなくなり、食事そのものがイヤな事になってしまうのです。
逆に、食事の時間が楽しいものであれば、「食べる=楽しい・嬉しい・幸せ」と食事そのものがとても好きになります。
食事が好きになれば、食べる事に興味と意欲が沸きますし、食事をしている時の気分というのは食事の味にも大きく影響を及ぼしますので、楽しい気分で食事をすれば、それだけ食べているものも美味しく感じる事ができます。
なので、食事の時間は叱らずに“楽しい”雰囲気を作ってあげましょう。
但し、食事に関するマナーはしっかりと教えてあげてくださいね。
「左手はお茶碗に添えてね」「お箸の持ち方はきちんとしようね」と、叱らずに“教えて”あげてください。
2.子供が嫌いなものも食事に出す
子供が好き嫌いをして食べないと、ママは「一生懸命作ったのに」と悲しくなってしまいますね。そのうちに、「忙しい中あんなに手間をかけたのに!」「捨てるなんてもったいない!」と、だんだんとイライラもしてきてしまいます。
次第に、どうせ食べないからピーマンはあの子のお皿には乗せない。なんて事になってくるのですね。
でも、食べなくても食べなくても、お皿には出してください。
親が「食べないだろうから」と食べない前提で食事に出すことすらしなければ、その食材を食べるチャンスすらなくなってしまいます。
子供って、ちょっと調理法方が違ったり切り方が違うだけで「食べたい」「食べてみようかな」と感じたりもするものなので、嫌いなものや苦手なものも、“好きになる”、“食べられるようになる”機会をなくさないよう、きちんと嫌いなものでもお皿に出すようにしてあげましょう。
3.“嫌い”を肯定しない
離乳食や、普通食になってからでも、子供が口に入れたものをペッと吐きだしたり、見ただけで口に入れすらしなかったり、そんな時ってありますよね。
例えば、納豆。
臭くて、ネバネバしてて、見た目も茶色くて糸を引いてて、大人でも苦手という人が多い食べ物です。
これを子供がイヤがった時、
「まだ納豆はあなたには早かったかな。臭いからイヤだよね」
「ネバネバしててなんか気持ち悪いのかな?」
などと言ってはいませんか?
これって全て、子供の“嫌い”を肯定してしまう言葉です。
子供が納豆を嫌がった理由は、見た目か、臭いか、舌触りか、味か…それは分かりませんが、何かに敏感に反応し「イヤ」と感じた事を、あなたの言葉が肯定させてしまっているのです。
子供の頭には、自分で感じた不快感だけでなく、「臭いからイヤ」「気持ち悪いからイヤ」というあなたの“嫌い”を肯定する言葉が残り、益々納豆嫌いになってしまうのです。
4.「美味しいね」と声を掛ける
上記で嫌いを肯定しないとありますが、つまりは好きを肯定させる言葉がけをしてあげるのが良いということ。
キレイな色してるね~
いい匂いがするね~
美味しいね~美味しいよ~
パパもママもだいすきなんだよ~
と。
パパとママも大好きなの?これって美味しいの?
と、すぐ素直に食べてみる子は少ないかも知れませんが、それを続けていくうちに子供はその食べ物に対して興味が沸いてきます。
嫌いな食べ物でも、まずは興味を持たせることが大事です。
5.美味しいものを食べさせる
子供の舌ってとっても敏感なんです。大人よりも断然味が分かるんですよ。
何も知らないゼロからスタートする子供は、視覚も味覚も嗅覚も触覚も、全ての感覚が研ぎ澄まされています。
筆者の娘は好き嫌いがなく何でもよく食べる子供ですが、外食の際、
例えばチェーン店の低価格の焼肉屋と、高級焼肉屋どちらに行きたいかと言えば迷わず高級焼肉屋、
ファミレスとしっかりしたレストランのどちらに行きたいかと聞くと、迷わずレストランを選びます。
娘はまだ値段が分からない年齢ですし、ファミレスの方が大好きなアンパンマンやおまけのおもちゃなどがあるのに、です。
また、友人の息子は大のお豆腐嫌いなのですが、とある高級お豆腐専門店のお豆腐は「美味しい」とよく食べます。
スーパーで買う安いお豆腐と、専門店の美味しいお豆腐の味の違いを子供ながらに感じていて、「ここのお豆腐は美味しい。スーパーのは美味しくないから嫌だ」と言うのです。
子供だから味なんて分からないでしょ。なんでもいーよね。
ではありません。
舌が敏感な小さな子供である程、素材には拘りたいのです。
新鮮でおいしい素材を選ぶ。
「良いもの」を食べさせる。
勿論、高級なお店に毎日食べに行くわけにはいかないでしょうし、スーパーで高いものばかりは買っていられませんが、出来るかぎり新鮮でおいしいものを食べさせてあげましょう。
特に新鮮なお野菜は、野菜の甘みもたっぷりで美味しさを実感できるはずですよ。
子供の好き嫌いが少しでも減れば、子供は食事の時間が楽しみになる。
ママだって、料理を作るのが楽しくなる。
食事という最強のコミュニケーションで親子の絆も深まり、関係がより良くなる。
焦らず少しずつで構いません。
お子さまの食事の好き嫌いを、改めて見直してみてください。
次回は、嫌いなものを食べる気にさせる方法をご紹介します。